まめに働く どこまでも

下流老人にならないために仕事・子育て・投資に奮闘する作業療法士のブログ

作業療法士になりたい?の巻

こんにちは

まめに働く作業療法士のまめです

 作業療法士になって10年ほど経過し、作業療法士という仕事が自分に向いていると思うし、ときには辛いこともあるけどこの仕事をしていてよかったなぁと心から思っています。今回は作業療法士になりたい方や、お子さんが作業療法士になりたい!と相談された親御さん向け(いるかな?)の記事となっております。

 

作業療法とは

まず作業療法士の『作業療法』っていったいなんやねん。って思う方が多いと思いますのでここで定義のご紹介です。 

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日本作業療法学会より抜粋

…はい。定義なのにすっごく難しいことが書いていますが、つまりは人間が生きていくうえで行う行為をすべて『作業』という言葉でまとめています。その『作業』を通じて関わる方の生活をより良くする人が【作業療法士=Occupational Therapist】です。頭文字をとってOTと略して呼びます。

 

様々な分野で活躍できる

作業療法士が働くところ=病院というイメージが強いと思いますが、病院以外にもデイサービスや老人保健施設の老年期の分野、認知症精神疾患を抱えた方の病院の精神科分野、訪問リハビリなどの在宅分野、ケアが必要な児童の小児分野と幅広い分野がありいまでは保育園や小学校(学童)でも作業療法士は働いています。ちなみに私は身体障害分野での病院の経験がほとんどです。あとは実習で精神科に2か月いたこととボランティアで児童の入所施設に行くくらいです。(←近年いけていません)

 

作業療法士(OT)と理学療法士(PT)の違いは?

これよく聞かれます。養成学校に通っていても解剖学や生理学なんかの共通の授業は多くありました。昔は「OTは上肢!PTは下肢!」みたいな分け方もあったみたいですが…私が思うに『OTは海!PTは港!』です。

人間の生き方は様々です。十人十色の生活様式や個性に重なる様々な病態や障害に寄り添う海のような幅広さが必要ですし、『作業』=『生活』=『身体・精神』を海のように深く分析します(…なんか壮大になっちゃったw)

そして人間は体が資本です。解剖学的・生理学的・運動学的に身体を深く深く知り尽くしているPTは港となり対象者の身体の調整&メンテナンスを行います。

OTとPTはコメディカルの中でも密接な関係であり共通する部分もとても多いですが違う職業なのです。

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これは海岸

 

作業療法士という職業の将来性

日本の抱える社会問題として『出生率の低下』があり日本人口は減少傾向です。…ん?大丈夫なのかな?と不安になるかもしれませんが、圧倒的な『高齢化』により対象患者数が高い状態で推移していくことが見込まれます。人の体に直接、密に関わる職種のため、将来的にも欠かせない職業であると考えます。

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国土交通省「国土の長期展望」より抜粋

ただ上記の表で見てもわかるように、医療・介護が必要な高齢者数の推移とは対照的に若年人口と生産年齢人口は減少しています。高齢者に必要な多額の医療費と介護費用を支える為に、どんどん私たちのお給料につながる医療点数は減少していくことが考えられます。(おそらく後期高齢者の医療費の自己負担割合も1割の状態での維持は将来的に困難でしょう)

またIT化が進む医療業界です。歩行支援ロボットもありますし、データを入力すればプログラム立案なんかも今後、AIが担ってくれるかもしれません。AIに仕事を奪われないためには手技の向上、高い対人コミュニケーション能力なんかは今後も重要ですし、日々進歩する医療に柔軟に対応するために資格取得後も勉強はしていかなくてはいけません。現在でもそうですが、必要とされるセラピストであり続ける必要があります。

 

作業療法士で働いていることで負うリスク

これは重要です。まず①感染リスクです。様々な病気、感染症があります。日々、感染症には気を付けて行動しなければなりません。患者様からうつる場合も自分がうつす場合もあります。細心の注意が必要です。

次に②医療事故です。医療事故の例として、動作訓練中の転倒や訓練途中の意識消失など…があります。のちに医療訴訟に発展する場合もあります。患者様・自分の身を守るために、患者様のバイタルチェックをはじめとした身体状況の確認や運動強度の選定にも細心の注意が必要です。

そして③精神的負荷が大きいことです。①・②といったリスクもそうですが、やはり患者様とのお別れがつきものです。関わる期間は短くても悲しいです。また病気の進行により苦しむ姿を見るのが辛いです。OTとして何もできない無力感に襲われます。

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私が作業療法士として頑張れるわけ

お亡くなりになった患者様の家族様にご挨拶をしたときに

『夫はまめ先生とのリハビリの時間はとても楽しそうにしていました。夫のリハビリの先生がまめ先生で本当に良かったです。もし私もリハビリが必要になったとき、まめ先生にお願いしたいです。これからもご活躍してくださいね。』と声をかけてくださったことがありました。心の底からうれしかったです。これからも頑張ろうと強く思いました。

療養病院で働くものの宿命としてたくさんの別れを経験しなければいけませんが、患者様と関わっている時間が楽しいです。人生の先輩から聞く話はとても面白いことばっかりで一緒に体を動かすのも楽しい。退屈な入院生活をリハビリの時間は楽しんでもらおうというより一緒に楽しんでいます。楽しみながらも身体機能や認知機能の改善、精神面の安定をはかれるなんてすっごく良い仕事だなぁって思ってます。

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